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京都でリモートワークしながらプロジェクトマネージャやディレクターをやっています。

カテゴリ : ソーシャルウェブ

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2011年、たぶん東日本大震災のあとの東京での混乱が落ち着いてきた頃、当時の勤め先でのとある会議でのディスカッションがとても刺激的であったことを思い出しました。

その会議のテーマはざっくり言うと「ソーシャルダッシュボード」的なものでした。当時すでに市民権を得ていたTwitter、いよいよに存在感を増していたFacebook、純国産SNSのmixiの御三家はもちろん、モバイル時代の到来の波に乗ってネット上に大小さまざまな、「フォロー」「お友達」でユーザーアカウント同士がつながる「ソーシャルグラフ」が無秩序にに生まれていた2011年にあって、その会議では、ネットユーザーが自分が関わっている"ソーシャルネットワーク"を各SNSからは独立した場所で統合管理することの可能性について考えていました。また、「ID」「つながり」だけではなく行動履歴をも横断管理することでネット上での個人の「信用」の可視化もできるかもしれない、そんな可能性も話していたように記憶しています。

ただ結局はその会議から具体的なアウトプットを出すことは叶わなかったので、そのディスカッションは単なる思考実験に終わりました。

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こちらは昨年の僕のフジロックの投稿。今年は就活中なので参戦できませんでした(←どうでもいい)。

そんなどうでもいいフジロックについてとても共感を集めやすそうな記事が流れてきました。

わざわざ「フジロック行ってきた」と報告される問題 ~無干渉社会を望みたい
http://bunshun.jp/articles/-/3568


それを言うならSNS(Facebook上)には、何かのイベントで一回名刺交換しただけの方の「知らんがな」情報が日夜流れ込んでくるわけで。そして自分たちも無自覚に流し込んでもいるわけです。
  • わざわざ「第一子が生まれました」と報告される
  • わざわざ「サッカー日本代表の応援にきました」と報告される
  • わざわざ「●●さんのセミナーを聞きにきました」と報告される
  • わざわざ「サイゼリヤなう」と報告される

ただ、このストレスの矛先は無邪気にシェアしちゃう人ではなくって、見たくもないものが流れてきてしまうSNS(Facebook)になんとかせーや、と訴えるべき話だとも思うのです。

これがTwitterが流行りだした10年前ならともかく、今だったら技術的にはFacebookは上記の自分が見たくない投稿(人ごとアンフォローするんじゃなくて)を出ないようにすることはそんなに難しくないはず。

ユーザーは投稿ごとに「投稿を非表示」することができるのだから、その傾向(例:画像にラーメンが映っている、特定のイベントや会場がタグ付けされている)を蓄積して学習して次に類似の投稿があった場合に気を利かせてニュースフィードで表示しないことはある程度以上の精度では可能なはず。

Facebook広告を初めて使うと「こんな属性・趣向・行動傾向でターゲッティングできるのか」と驚くように、広告用途では「CTRが少しでも高そうなものをユーザーごとに選別して表示する」ことにエンジニアリングの叡智が絞られているわけで、その努力をちょっと割いてもらえれば、僕のニュースフィード上から赤の他人の結婚式の投稿を減らすことは、「やればできる」ことの部類であるはずです。さらに冒頭の記事のようなストレスを感じているヘビーユーザーなら課金オプションでも使う人はたくさんいる。でもFacebookはそれをやらない。




あるプロダクトやサービスが新しい機能を追加する場合に明確な理由や目的があることは理解しやすいですが、実は、ニーズが顕在化している、やればできる、そんな機能追加をずっとやらない場合においての方が、ずっと頑強で明解な理由があります。

理由は大きくふたつにわかれます。

「サービスの思想の根本に触れるから」もしくは「大人の事情」。

(もちろん「大変だからやらない」というときもあるけど、課題感が強ければなんとかする方法を見出すもの)

Facebookのミッションは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」。言葉は成長に応じて変わっていますがビジョンは一貫しています。ですから、いちユーザー個人の発信がプライベートな投稿なのかビジネス的な投稿なのかを区別することをやりません。「取引先のおじさんがたまに投稿するまじめな考察」を受け取りたければ「毎日のうざいラーメンの投稿」も受け入れなさいという思想。いっぽう発信者に対してはラーメンも真面目な考察も(ミュートされずに)シェアしたいのであれば、別人格(Facebookページ)を使いなさいという思想。

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SNS経由でヤフーニュースの記事ページにブラウザで着地すると、もうあとワンクリックで記事本文が読めるにも関わらず、「アプリで読む」ボタンがページのど真ん中にありますが、こちらはわかりやすい大人の事情。。

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自分は、こういう思想や事情があるとき一般的なUI/UXのセオリーを無視することは、至極当たり前のことだと考えています。外部のコンサルタントや専門家風情がユーザーを観察してなんと言おうとも、中の人の間でしっかりとディスカッションがされた上で揺らぐことのない拠り所のあるサービスが好きです。


ほかにも、やればできるのにやらない機能例としてぱっと思いつくのは、
  • なぜ Instagram は投稿につけたリンクURL文字列にアンカーがつかないのか。アンカーついた方がユーザーは便利なのに。
  • なぜはてなブックマークは収集するサイトのメディア(ドメイン)単位で非表示にできないのか。あると気持ちよく捗るのに。
  • なぜ LINEの公式アカウント・ビジネスアカウントは不要になったとき「ブロック」なのか。「削除」の方がわかりよいのに。

などでしょうか。


新機能を実装して本番環境でテストするコストは下がっているいま、リリースされた新機能がユーザーからしても「?」な思いつきであるということも往々にしてあります。むしろ、新機能の理由を考えるよりも、誰もが思いつきそうな機能がずっとつかない理由を考察することの方が、深くそのサービスの核心に触れることができて面白いと思いませんか。

なんだか冒頭のフジロック記事とはあんまり関係なくなってしまいました。考察が浅いところはありますが、あのサービス・アプリのあれもそうだよねーというのがあれば教えてください。




この記事の読了時間:8分
Retired The MediaRetired The Media / cogdogblog

バンド友達が練習中に例に挙げる最近の日本のイケてるバンドを全然知らなくって内心「良い音楽との出会い」に危機感を覚えている30代半ばの今日この頃。

MUSICMAN-NET で連載されている「未来は音楽が連れてくる」という連載企画、全部読んでいたわけではなかったけど、最終回の佐々木俊尚さんとの対談内容が網羅的でとっても分かりやく、かつ自分の中で近年稀に見るヘビーなボリュームで面白すぎたので、気になったところを引用しつつ、私見を書き残してみます。

「未来は音楽が連れてくる」佐々木俊尚氏 × 榎本幹朗氏 特別対談【前編】 | Musicman-NET
http://www.musicman-net.com/SPPJ01/54.html
「未来は音楽が連れてくる」佐々木俊尚氏 × 榎本幹朗氏 特別対談【後編】 | Musicman-NET
http://www.musicman-net.com/SPPJ01/55.html

音楽ではビッグデータの活用は、Pandoraあるいはlast.fmなどで既に2005年ぐらいからずっと行われてきました。ビッグデータという言葉が無かった頃からです。昔から音楽というフィールドは、常に最先端の技術が駆使される場所でした。それは今も変わらないんですよ。一般的な見解では、音楽ビジネス=古い・遅れてるみたいなイメージになってますけど(笑)。
こんな感じで日本では利用できないのであまり話題にならない Pandora とLast.fm の理解が前提になっているマニアックかつ膨大な文字量の記事でございます。

以下、引用中心で長いですがこのテンションに付いてこれる方はお付き合い下さい^^


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この記事の読了時間:4分
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なにかと気になる元同僚のブログ"北欧Tech"にて、音楽産業の「ランキング」に対して一石を投じています。
思ったのは、まあ普通に、CDの売上とか、iTunesのダウンロード数ランキングよりも、再生回数が一番「流行っている」音楽をランキングできるよねということ。なんか、いまだにオリコン初登場1位の連続記録を守るために・・・と必死なレコード会社やファンの方々もいるけど。

AKB初回出荷230万枚でオリコンランキングが無意味なのでそろそろ再生回数ランキングの時代が来て欲しい : 北欧Tech
http://www.nordic-tech.net/archives/4473582.html

北欧さんは、「CD売上数ランキング」「iTunesダウンロード数ランキング」よりも「再生回数ランキング」が一番支持されている曲(アルバム)を正しく切り取ったランキングじゃないの?と論じていて、ここは完全に同意なのですが、
あと、やっぱり、個人的な欲求だけども、ロングテールもいいけど、「世代超えてみんなが知ってる流行ってる曲がある」っていいなと一周回って思う。

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Facebook上場で一段落、ではない―関心ベースのソーシャル・ネットワーク多数が急成長中

Techcrunchのインタレストグラフについてのこの記事中で、pinterest、 instagram、 foodspotting などのおなじみのサービスにならんで列挙されていた Thumb(2011年12月まではOpnionaided という名称) というサービスについて、日本語の情報がほとんどなかったので自分で使ったり調べたりしてみました。

Thumb

なぜ今ごろ1年以上も前にリリースされたサービスを調べようとしたかというとこのような関心から。
  • 昨年facebookと連動した投稿サービスを作る際にQAサービスも含むCGMサービスをいろいろ研究した
  • 海外のQAサービスとして日本で話題になるのはQuoraがほとんど(位置情報との組み合わせでlocalmindなんてのもありましたが)
  • 一方日本国内のQAサービスと言うと、OKWaveやY!知恵袋のような古参のサービスはともかく、ソーシャル系のサービスはユーザー規模と継続性という面でまだまだ苦戦している現状
そんな中で、Twitterのような「つぶやき系リアクション」はさておき、赤の他人からの質問に、実名もしくは半実名で真正面から回答をするという行為が日本人の市民権を獲得するには、まだまだ難しい中でThumbに俄然興味が湧いてきたのでした。

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