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あけましておめでとうございます。

新年の抱負とか宣言するのはあまり得意ではないのですが、今年は会社の方でスタッフ一同で書き初めをやるぞ、オー!というのでこんな言葉を書いてみました。

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※字の拙さはどうかそっとしておいてください!

一座建立とは茶道や能楽で使われる言葉です。
お客さまを招く時には、できる限りのことをしてあげようと工夫します。 簡単なようで意外と難しく奥の深いことですが、これにより招いた者(亭主)と招かれた客の心が通い合い、 気持ちのよい状態が生まれます。このことを「一座建立(いちざこんりゅう)」といい、茶道では、とても大切にします。 同じ意味をあらわす語で「一期一会(いちごいちえ)」があります。一期は一生、一会はただ一度の出会いです。 茶席で、たとえ何度同じ人々が会するとしても、今日の茶会はただ一度限りの茶会であるから、 亭主も客もともに思いやりをもって取り組むべきと教えています。このような気持ちを持ってさえいれば、 茶道は楽しいものです。まずは、一服(いっぷく)を楽しんで飲むことが大切です。
裏千家ホームページ はじめてのお茶
http://www.urasenke.or.jp/textb/beginer/

恥ずかしながら茶道の世界において「一座建立」が「一期一会」と並んで大事な心得であることをはじめて知りました。一期一会が心構え・戒めを指すなら、一座建立は達成状態を指していると云えるでしょうか。

僕が一座建立の説明の中で僕が感銘を受けたのは、場の一体感や充実感を得るために、身分や立場、専門性が同一ではない主客がお互いに心尽くしと工夫を怠るべからずという考え方です。

招いた主人はもちろん、招かれた客もその場を尊重し、この場にいる瞬間を大事にして、楽しみながらひとつの時間・ひとつの空間を作り上げること、まさに一期一会の価値を生み出すことが一座建立の在り方であり、茶道はその精神世界を構築するための必然的な媒介者(メディア)であるとのこと。

主だから客だからということにこだわり過ぎていては、また限られた時間と空間内で茶会の達成を最高潮に上げることは難しいでしょう。では、そうならないために主としては場作りに腐心が過ぎたることはありませんし、客としての振る舞いから主に気づいてもらうこともできるでしょう。

現代風の言葉でいえば「協働」「共創」「コ・クリエイション」というかっこいい言葉がありますが、京都で活動をしている私たちは現代的で標準的なものさしより、大きな時間の流れや、それゆえ複雑にならざるを得ない関係性の中で、本質と向き合いながら、プロジェクトデザインと運営に関わっていくことが期待されています。

茶の湯に限らず、すべての出会いを生かすも殺すも私たち次第。まずは一服を楽しむところから。

日本文化が持つ、(良い意味での)言語化できない、しない、深遠なニュアンスを「一座建立」から学び取りつつ体得できればと願っています。

ちなみに、この言葉を知った本はこちら。



昨年心得のある方に例えば、なぜこの茶碗なのか、どうしてこういう所作をするようになったのか、などなど茶道にはひとつひとつに、いちいち理由があることを教えていただく機会があり、今までは無縁だった茶道が少しだけ身近になりました。

主客それぞれが徹底的に慮る精神的な原則が根底にあるのです、ということを伺い、茶道の表側の作法よりもその精神世界に惹かれている中、年末に開いてみた(kindleだけど)一冊でした。

結局、書初めで書いたフレーズ「一座建立」は茶の湯の基本中の基本でしたが、本書で傍線を引いていた胸に止めておきたいフレーズを幾つかご紹介します。

『客の心に合はぬ茶の湯すまじきなり。』(武野紹鴎)
『習は古きを専らに用ふべし。作意は新しきを専らとす』(山上宗二)
『かなふはよし、かなひたがるはあしし。』(千利休)
『わびはわびの心をもたでば、茶湯はできざる物なり』(小堀遠州)







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