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istomp
このお正月に京滋のアマチュアミュージシャンの良心JEUGIAに行ったところ、2012年に少し話題になった iStomp が当初は21,000円のモノが4980円(2014年1月現在)で大安売りされているのを発見しました。どうやらこれはJEUGIA新春特価というわけではなく、公式に値下げがされているようです。



DigiTechよりiPhoneを実用的なストンプボックスに変える「iStomp」が発表!【 NAMM 2012まとめ 10 】 | iPhone・iPad Music App blog~音楽アプリ・楽器アプリのレビューブログ~
http://iphonemusic.jugem.jp/?eid=1018

iStompとは

ざっくり言うと
  • iPhone(iPod, iPad)と接続して"中身"を転送(load)できるギター用コンパクトエフェクターペダル
  • iOS専用アプリ Stomp Shop から47個のエフェクターを選び放題!
  • 一度転送すればレイテンシー(反応の遅延)も少なく、いたって普通のペダルのように"ラフに"扱える
という、中身はデジタルなんだけどアナログの良さを残したりエミュレートした新しいコンセプトのコンパクトエフェクター。

shop
連動して使用するiPhoneアプリはこちらなのですが、

DigiTech Stomp Shop on the App Store on iTunes
https://itunes.apple.com/us/app/digitech-stomp-shop/id481957668?mt=8

アプリをダウンロードしなくても現在使うことのできるエフェクター一覧の確認と試聴ができるWebページがありました。便利!

091

092
iStomp | DigiTech Guitar Effects
http://www.digitechjapan.jp/products/istomp/istomp.html

DIGITECH なので、空間系(ディレイやモジュレーション)が充実している印象。
env2
Funky な味付けに粋なエンベロープフィルター
aco
いざというときにあると便利なアコギシミュレーター
reverve
こういうリバーブ、単体で買うと高いですよねー

趣味のギタリストレベルでは単体のエフェクターとしては、なかなか買うまでしないだろうというエフェクターが嬉しいですね。もちろん空間系以外もひととおりそれっぽいのが網羅されています。
tremolo
往年のアンプのアレを再現したシブいアレ
fuzz
これは!なんちゃらFace。
rat
一家に一台の名器じゃないすか
tube
いばにーず、もといあいばにーず!

こういうデザインのガイドラインってあるんでしょうか?ここまでは似せてもOKというw

あと、実際にハードを作る必要はないので架空のエフェクターのデザインがファンタジー。デザイナー楽しそう。
tape
テープディレイ。見たまんま
xul
マヤ文明がモチーフだそうで!
stop
音をオン・オフするだけのペダル、フロントピックアップを絞らなくてもスイッチングができる♪
rotator
個人的にはこのRotatorペダルが味があって好きです。

02
・・・ということでやっぱり買っちゃいました。現役でバンドやってるんだからいいよね!ちょうどFUZZとTremolo系のペダル(だいたい中古でも数千円はする)を足したかったところだから、それ以下のお値段で50個のエフェクターが手に入ったなんてお得すぎる!・・と言い聞かせて。


試用レビュー

08
05
06
大きさはBOSSのやつより一回りだけ大きいくらいなんですが若干コンパクトエフェクターにしては軽いというのが第一印象。

iPhoneとの接続はiStomp側が専用のコネクタなのでこれは安易に紛失できません。

さらにACアダプタが独特の形状だったので嫌な予感がしたのですが、よくあるBOSSの9Vアダプタやコンパクト派必須のマルチサプライも普通に使えて一安心。

ステレオINOUTにも対応しているのでジャックは4つあります。iPhoneとの接続は演奏には関係なくってエフェクターを入れ替えるときだけ繋がっていればOKです。

07
バンドの練習スタジオにも連れだしてみました。足もとはこんな感じ。貼り紙とかして汚くてスイマセン。とりあえずコーラスとデジタルディレイの間、後ろの方に配置しているけど何のエフェクターになるか次第なので悩ましいところではあります。

まだ全然使いこなしきれていないのですが+1の飛び道具としては、細かく調整できるTremolo とか、コードを弾いたらシンセっぽい荘厳な残響がかかるDelay とかがアレンジに役に立ちそう。

また、王道オーバードライブ以外の歪み系ペダルは持っていなかったので、アクの強いディストーションがいつでも使えるのはソロなどのいいアクセントに使えそう。


安いのには理由アリ

そんな便利で未来を感じさせるオモチャがファミコンのカセット並みのバーゲン価格で買えるのにはやはり訳がありました。公式サイトに行くとまさかのページ最上部にこんな但し書きが。
Note for Lightning Users: Please only use the official Apple 30-pin to Lightning adapter to connect your iPhones to the your iStomps. After testing multiple 3rd-party 30-pin to Lightning adapters we have found none that work with the iStomp except for the official Apple adapter.
http://www.digitech.com/en-US/products/istomp
iStompとiPhoneを接続する付属コネクタは30pin(iPhone5以前の仕様)で、市販の安物Lightning・30pin コンバータだと動きませんよという警告。じゃあ動作が保証されているApple純正はというと、これは結構いい値段するのでこの辺で、良識ある大人は我に返っちゃうわけですね。「そこまでしてコレ、欲しいんだっけ?」



自分の場合は眠っていたiPhone3GSがあったのでこれにアプリをインストールして接続。だいぶんもっさりだし、(たぶんiPhone側の問題で)5回に1回くらいしか認識してくれませんが、そこは我慢。iStomp専用機として活かしどころがあってよかったです。

また、iPhoneを使ったエフェクターの入れ換えは最大1分くらいかかります。

そして、各ツマミのセッティングを記憶してくれているわけではないのでエフェクターを入れ替えるとセッティングしなおさなきゃいけないんだけど、4つのツマミの役割を覚えられるはずもなく、大変マゴマゴしますw
自室でじっくり音作りならいいけどリハーサルスタジオでの練習で色々試しながら使うにはあまり向いていません。


過渡期のデジタルギアがオススメできる人

そんな目新しいコンセプト故に、癖もある iStompなのですが、実際にコレが役に立つ人は限られているんじゃないかと思いました。

このiStomp の揺るぎない仕様として、一度に使えるエフェクターは1個なので、このiStomp単体では十分なサウンドメイキングはほぼできません。

オールインワンで便利でリーズナブルで持ち運びやすいマルチエフェクターを愛用している人は、これを足したい!という気にそもそもならないでしょうし、アンプ直で音作りをしてアンプに出来ないところだけ足したいという人は、余程移り気でなければこだわって本当に必要なエフェクターを数個買ってリアルな音作りを目指すでしょう。

ということで結局は、自分のような「見栄えが通っぽいから」「カスタマイズ感がたまらないから」と言う理由で、ほしい音があるごとに、ペダルが増殖してきて「そろそろこの散財に歯止めをかけたい・・・」と内心思っている、コンパクトエフェクター派にのみ、よい選択肢なのではないでしょうか?(と買った自分を正当化)

あとは、ピンポイントでエフェクターを選んでじっくり細かい調整ができるので、生音にこだわりたい宅録派のギタリストも1台持っていると良いかもしれませんね。

さらには、iStompを少し使ってみて感じた不満点、例えば、
  • 1分かかるロード時間を短縮してほしい
  • ロード無しで複数のエフェクターを瞬時に切り替えたい
  • 有線ではなくWifiやBluetoothでロードしてほしい
  • ツマミの設定も記憶してほしい
などを本気で改善するとそれはもう、メモリやCPUやネット接続機能を内蔵したマルチエフェクターにしてしまえばいいだけのような気がするのです。(さらに邪推するとこれだけ劇的な値下げをするということは近々iStompを無力化するような「何か」が発表されるのかも。NAMM Show近いですね。)

だとすると iStomp がこの仕様・インターフェイスの iStompである拠り所は
「コンパクトエフェクターのロマン」
しかありません。

その辺が(一部の)ギタリストの愛すべき拘り(めんどくさい)で、そのデジタルなんだけどギリギリアナログでiPhoneとかと絡めちゃって好奇心をくすぐる、iStompは絶妙にニッチなアイテムなのではないでしょうか。

結論としては、それ(ロマン)が分かる人であれば、叩き売りの4980円なので現役バンドマンはもちろん、今は家弾きオンリーな人も買っちゃえばいいと思います!




(この動画にもあるように同じiStompを何個も買っちゃうという力業はありますが、それも何か「ロマン」じゃない気がするんですよねー)


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