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なにかと気になる元同僚のブログ"北欧Tech"にて、音楽産業の「ランキング」に対して一石を投じています。
思ったのは、まあ普通に、CDの売上とか、iTunesのダウンロード数ランキングよりも、再生回数が一番「流行っている」音楽をランキングできるよねということ。なんか、いまだにオリコン初登場1位の連続記録を守るために・・・と必死なレコード会社やファンの方々もいるけど。

AKB初回出荷230万枚でオリコンランキングが無意味なのでそろそろ再生回数ランキングの時代が来て欲しい : 北欧Tech
http://www.nordic-tech.net/archives/4473582.html

北欧さんは、「CD売上数ランキング」「iTunesダウンロード数ランキング」よりも「再生回数ランキング」が一番支持されている曲(アルバム)を正しく切り取ったランキングじゃないの?と論じていて、ここは完全に同意なのですが、
あと、やっぱり、個人的な欲求だけども、ロングテールもいいけど、「世代超えてみんなが知ってる流行ってる曲がある」っていいなと一周回って思う。

についてははどっちでもいいなあ、と思いました。それは単なる個人のニーズの違いです。

自分だったら「現役ギタリストが2012年のリリースの中で一番聞いた曲ランキング」「フジロック参戦した人が2012年の後半に買ったアルバムランキング」とかはすごく見たい。

せっかくの再生・購買ログだからいろんな切り口でみたい

Spotify やPandora や Last.fm など、現存しているイケてる音楽ストリーミングメディアでは、「この(曲|アーティスト)を(好きな|聞いている)人が聞いている曲」とかをレコメンドしてくれます。これはもう大変重宝する機能です。

また国内で言うとATTACCA というアプリは「特集」というプレイリストが編集されていて、いろんな切り口で新旧の楽曲を聞いて楽しむ工夫がされています。
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  • レコメンド=自動化、サービス側のアルゴリズムに委ねる
  • 編集=キュレーション、サービス側の方針に委ねる

レコメンドは思いがけない発見が楽しい(セレンディピティー)し、キュレーションもツボにはまるとニヤッとする喜びがあるし、なにより両者とも圧倒的にユーザーが楽チン。インターネット的ですね。

ただ、どちらもサービス側に完全にコントロールされているのが物足りなくもなってきました。自分のオーダーを伝えて提供してもらうコンテンツがあってもいいですよね。

膨大な再生(購入)ログを開放して、利用ユーザーの属性や行動履歴とかけ合わせてオレオレランキングを作成。

アクティブユーザーが少ないサービスでは意味のあるランキングの生成は難しいですが、ある程度の人とデータがたまっていれば、ただ貯めておくより面白いものが見つかるかもしれません。

分野は全然違うのですが Facebook Ads の出稿ターゲッティングページを初めて見たときはちょっとした衝撃を受けました。あれくらい(個人を特定しない形での)ユーザー属性や行動履歴を、素材のまま開放してカジュアルにシミュレーションできてしまうことを目の当たりにして若干の不気味な怖さも感じたものです。(今は慣れちゃいましたが)、
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第3者企業の広告目的のFacebook Ads に比べたら、自分が快適に音楽に出会うための目的で、ストリーミングメディア/サービスに自分の属性情報や行動履歴(音楽に関する)を提供する・見られるパーミッションを与えることにはほとんど抵抗ありません。

#ちなみに、Last.fm のAPI あたりでそういうことできたりするんじゃないの?と思いましたがそういうのはなさそうでした。
API – Last.fm
http://www.lastfm.jp/api


ランキング2.0はデータ開放型?

ランキングって便利です。たくさんのアイテムがある中で価値(評価)が高い順に10個なり100個なり並べてくれるので探す時間・選ぶ時間の短縮になります。

そしてデータベース化がお約束のインターネットメディアで「ランキングシステム」という見せ方は定番中の定番なのですが、普遍化しすぎてしまって、日々研究されて進化を続けているレコメンドシステムと比べるとあまりスポットライトが当たっていない印象もあります。極論すればログをとっているものはどうにかすればソートができるわけなのに。
  • 売れ筋ランキング
  • ダウンロードランキング
  • アクセスランキング
  • シェア数ランキング

割引率の高い限定商品が占める売れ筋ランキングや、炎上ネタや芸能ゴシップが常連のアクセスランキングが、普段ネットで目にする「いつもの景色」となってしまいました。

ここでは音楽系サービスの話をしましたが、各種インターネットメディアで、新しい発見や驚きのあるランキングに触れることができれば、そのサービスの奥行きが広がりそうな予感があります。
(劇的に売り上げがー、と言われるとつらいけど、差別化や面白さは出せそうというニュアンス)

例)nifty のニュースアプリがFacebook連動で世代別のランキングを出していますね
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"ロングテール"という言葉が陳腐化するくらいニーズが多様化していく中で、サービス・プラットフォーム側は今あるデータを使って・かけ合わせて、切り口の違ったランキングを導き出せる「出口」を用意して解放すること。

あとはの操作は、自前(編集者や運営者)でやってもいいし、熱心なユーザーやキュレーター(って言葉は嫌いですが)に任せることができる時代でもあります。

ニュースメディアの世界では「データジャーナリズム」という言葉を耳にすることが増えました。
データジャーナリズムでは(超ざっくり言うと)、従来型の編集ではなく、大量or複雑な情報データを可視化することに重きを置いて、第3者視点と公平性がキーになります。

データジャーナリズムは様々な領域において新しい基準を見いだすことを目標としており、例えば、データジャーナリズムによる発見を通し、消費者・ビジネスマン・政治家・その他社会に関わる全ての人が、今まで知ることのできなかった物事の規則性を見つけたり、意思決定に役立てられることを目指している。

データジャーナリズム - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0


最後にユーザー属性や行動履歴をどっから調達しますか?という問いについて。
音楽ストリーミングメディアくらい利用継続性とユーザー忠誠度が高いサービスなら自前で収集することも十分可能だと思いますが、欲しい物があるときだけやってくるEコマースや気まぐれにアクセスするようなニュースメディアでは、外部のSNSと連携を強化するのが現実的です。

ソーシャル・ログイン市場は依然Facebookが46%を占めてトップ―Googleも2四半期連続で差を詰める | TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2013/04/09/20130408report-46-of-social-login-users-still-choose-facebook-but-google-is-quickly-gaining-ground/

2年ほど前に流行った「Facebook コネクト」は昨年の秋をピークにGoogleを始めとするサービスにシェアを食われてきているようですが、これは用途次第です。。ランキング2.0を実現するに当たって、膨大なライフログとパーミッション管理、(癖はあるけど)それにアクセス可能なAPI群が提供された総合SNSは当面Facebookがずば抜けているでしょう。

#モバイルメッセージアプリにSNSとしてのシェアは食われ始めていますが、あっち系のサービスははクローズが建前なので限定的な情報しか使えません。

Facebookコネクトを使って、買い物客の友達の誕生日に購買促進をするくらいがEコマースの完成形だったのでしょうか?ニュース記事ページにアクセスしたその事実をフィードとしてサイドカラムに垂れ流すことがメディアのソーシャル化の未来だったんでしょうか?

なーんて問いかけをしたところで妄想を一旦閉じますね


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